若手SEが育つと出ていく会社と、育ったSEが入ってくる会社の違い
新卒、第二新卒、中途採用。いまのSEのキャリアを見ていると、昔よりも「同じ会社でずっと働く」ことだけが当たり前ではなくなってきたと感じます。
特に、若手から中堅になったSEは、会社にとって非常に重要な存在です。社会人としての基礎が身につき、現場の進め方も分かり、技術だけでなく、調整、レビュー、進捗管理、後輩指導なども任せられるようになる。会社から見れば、まさに主力になっていく時期です。
しかし、そのタイミングで転職を考える人も少なくありません。
- このままでいいのだろうか
- 年収の上限が見えてきた
- もっと技術的に成長できる環境に行きたい
- マネジメントや上流工程に挑戦したい
- 働き方を変えたい
- 家庭や生活とのバランスを取りたい
理由は人それぞれですが、中堅SEになる頃には、自分の市場価値や将来の働き方を考える機会が増えてきます。
ここで考えたいのが、「若手SEが育つと出ていく会社」と「育ったSEが入ってくる会社」の違いです。
1つ目の違いは、報酬に納得感があるか
大きく分けると、ポイントは2つあると思います。
1つ目は、報酬です。
どれだけやりがいがあっても、スキルが上がっているのに給料がほとんど変わらない。責任だけ増えて、評価や待遇に反映されない。そうなると、外の会社に目が向くのは自然なことです。
特にSEは、技術、業務知識、プロジェクト経験が積み上がる職種です。できることが増えれば、転職市場で評価される可能性も高くなります。社内では当たり前に見えている人材でも、外から見ると十分に価値があるケースは多いです。
2つ目の違いは、働きやすさと成長環境があるか
2つ目は、働きやすさと成長環境です。
給料が高くても、常に炎上している。調整ばかりで技術が伸びない。上司に相談しても話が通じない。挑戦したいと言っても、同じ作業を続けさせられる。こうした環境では、長く働き続けるのは難しくなります。
一方で、育ったSEが入ってくる会社には、何かしらの魅力があります。
報酬が高い。技術的に挑戦できる。裁量がある。リモートワークなど働き方の柔軟性がある。マネジメントに挑戦できる。上司やチームの雰囲気がよい。評価の納得感がある。
つまり、人が出ていく会社は、「給料」か「環境」のどちらか、あるいは両方に課題を抱えていることが多いのだと思います。
若手を育てるだけでは不十分
もちろん、会社にも事情があります。すべての人の給料をすぐに上げることはできないかもしれません。希望する仕事を全員に与えることも難しいでしょう。
ただし、会社側が考えなければならないのは、若手を育てるだけでは不十分だということです。育った人が残りたいと思える仕組みがなければ、育成した人材は外へ流れていきます。
「最近の若手はすぐ辞める」と言うだけでは、問題は解決しません。
なぜ辞めるのか。何が足りなかったのか。給料なのか、成長機会なのか、上司との関係なのか、働き方なのか。そこを見ないまま採用だけ増やしても、同じことが繰り返されます。
SE本人は、自分の市場価値を上げる行動を取る
一方で、SE本人の立場から見ると、私はスキルアップを目指してどんどん挑戦することをおすすめしたいです。
今の会社に残るとしても、転職するにしても、最後に自分を守ってくれるのはスキルと経験です。技術力、設計力、調整力、説明力、マネジメント力。これらを磨いておけば、選択肢は増えます。
会社に不満を持つだけではなく、自分の市場価値を上げる行動を取ることが大切です。
資格を取る。新しい技術を触る。現場の課題を整理する。レビューで指摘される内容を減らす。後輩に説明できるようになる。AIや自動化を使って作業効率を上げる。こうした小さな積み重ねが、数年後に大きな差になります。
昔と違い、スキルを積めば転職という選択肢も現実的になります。だからこそ、会社に依存しすぎず、自分のキャリアを自分で考える必要があります。
会社に選ばれるだけでなく、自分も会社を選ぶ
若手SEが育つと出ていく会社になるのか。
それとも、育ったSEが入りたいと思う会社になるのか。
その違いは、給料だけでも、やりがいだけでもありません。成長した人に対して、正しく報い、さらに成長できる場所を用意できるかどうかです。
そしてSE本人も、会社に選ばれるだけでなく、自分も会社を選べる状態を目指すべきです。
そのためには、日々の仕事をただこなすのではなく、「この経験は自分の武器になるか」という視点を持つことが大切だと思います。
