若手SEがこれから学ぶこと|AI時代にプログラムを書く力は不要になるのか
AIがコードを書いてくれる時代になった
最近、ChatGPTに相談しながら開発や学習を進めることが増えました。コードの例を出してくれる。SQLも書いてくれる。エラーの原因候補も挙げてくれる。正直、「これ、若手SEが一からプログラムを書く時代は終わるのでは?」と思う瞬間があります。
昔なら、検索して、公式ドキュメントを読んで、サンプルコードを写して、エラーに怒られて、やっと動く。そんな修行のような時間がありました。ところが今は、AIに聞くと数秒でそれっぽいコードが出てきます。
ただし、ここで大事なのは「それっぽい」という部分です。AIは便利ですが、たまに自信満々に間違えます。新人が「たぶん大丈夫です」と言ったときくらいの確認は必要です。
不要になるのは「丸暗記」や「単純作業」
AI時代に不要になっていくのは、コードを丸暗記することや、単純な雛形を手で書く作業です。
たとえば、よくある入力チェック、簡単なCRUD処理、テストコードのたたき台、SQLの例などは、AIに任せやすい領域です。ここを全部手作業で覚えるより、AIに作らせて、自分は中身を確認する方が効率的です。
しかし、「プログラムを書く力が完全に不要になる」と考えるのは危険です。なぜなら、AIが出したコードが正しいか判断する力は、人間側に必要だからです。
処理条件は合っているか。例外ケースは考慮されているか。性能は問題ないか。既存システムに入れても副作用はないか。本番データで動かして事故らないか。
この判断ができないと、AIは相棒ではなく、爆速でバグを生み出す装置になります。
これからの若手SEに必要な力
若手SEがこれから学ぶべきことは、コードを一文字ずつ暗記することではありません。大きく分けると、次の4つです。
1つ目は、コードを読む力です。AIが書いたコード、先輩が書いたコード、過去から残っているコード。これらを読んで、何をしているのか理解できる力が重要になります。
2つ目は、設計を考える力です。AIに「作って」と頼む前に、何を作るのかを整理できなければ、出てくるものも曖昧になります。AIへの指示がふわっとしていると、成果物もふわっとします。ふわっとした設計は、だいたい後工程で固い壁にぶつかります。
3つ目は、テストする力です。AIが作ったものほど、テストで確認する必要があります。正常系だけでなく、異常系、境界値、データなし、重複、権限違いなどを考える力は今後も必要です。
4つ目は、業務を理解する力です。システムは業務を動かすためにあります。画面が動くことと、業務として正しいことは別です。ここを判断できるSEは、AI時代でも強いです。
AIを使った学び方
おすすめは、AIを「答えを出す道具」ではなく「一緒に考える相手」として使うことです。
たとえば、次のように聞きます。
「このコードの処理内容を初心者向けに説明してください」「この処理で考慮漏れになりそうなケースを挙げてください」「このSQLの性能面の懸念を教えてください」「このテストケースに不足がないか確認してください」
AIに丸投げするのではなく、説明させる。レビューさせる。別案を出させる。自分の理解を確認する。
この使い方をすると、AIはかなり優秀な学習パートナーになります。ただし、先生というより、少し話を盛る家庭教師くらいに考えるのが安全です。
まとめ
AIによって、若手SEの仕事は変わります。単純にコードを書く時間は減るかもしれません。
しかし、考える力、読む力、確認する力はむしろ重要になります。
これからの若手SEは、AIより速くコードを書く必要はありません。AIが出したものを見て、「これは使える」「ここは危ない」「この条件が足りない」と判断できることが大切です。
まずは、AIにコードを書かせたら終わりではなく、必ず自分で説明できる状態にする。これだけでも、学習効果は大きく変わります。
AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使って仕事の質を上げる。そのための基礎体力として、プログラムを読む力と考える力を育てていきましょう。
